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大阪府立大学放射線研究センターは、研究機関としては西日本で最大規模の放射線施設を所有しております。
この施設は府立放射線中央研究所以来45年の歴史があり、学内外の研究機関の他広く民間企業からの利用があります。
大規模放射線施設による放射線照射、非破壊検査、機器測定などを行っております。
コバルト60
ガンマ線源が水中で発する
チェレンコフ光
総保有線源の強度は約 3.7TBq (約10 kCi)と極めて高く、下表に示すとおり能力の異なる 4 つの照射室(ホットケーブ)および1つの照射プールから構成されています。
これらは次のような特徴を有しています。
照射施設の名称 | 施設の大きさ(m) | ガンマ線源の数量(TBq) | 利用線量率(Gy/h) |
---|---|---|---|
第1照射室 | 2 X 3 X 3 | 500 | 1〜2.000 |
第2照射室 | 4 X 4 X 3.1 | 350 | 10〜5.000 |
第3照射室 | 4.5 X 4.5 X 3.4 | 2.5 | 0.1〜10 |
第4照射室 | 8 X 11 X 4.5 | 3.000 | 100〜5.000 |
照射プール | 3 X 5 X 5 | 3.000 | 10.000〜50.000 |
利用者はこれまで、大学・研究機関、電線、電気、化学薬品、医療器具、プラント、繊維、食品、宝飾、和楽器などの各メーカー、検査会社まで多岐にわたっています。
トランジスタ、ICなどの各種電子部品、機器の照射試験、原子力発電所などで使用されるロボット、カメラやレンズなどの光学部品、光ファイバー、計測機器、ケーブルなどの試験
放射線測定器、線量計の特性試験
ガラス・真珠・宝石等の着色、熱ルミネッセンスによる古陶磁の評価、石英による年代測定
電線、CDパッケージ、色インジケーターの開発、楽器部品の改良等
植物の突然変異種、微生物の改良、食品、医療器具、動物飼料等の滅菌
※ただし、食品、香辛料については世界中で広く利用されていますが、日本ではジャガイモを除き、一般に販売することが許可されていません。
電子線型加速器(ライナック)を利用して、4〜16 MeV の高エネルギーの電子線を照射することができます。10 MeV のエネルギーで、平均ビーム電流 50 μ A が標準的な条件です。
ビーム径は約 10mm φですが、電子線スキャナー(振れ幅 30cm)とコンベアー装置を装備しており、比較的大きい試料に均一に照射することができます。これにより1分間で10kGy の照射が行えます。電子線の他に、高エネルギー X 線、中性子線照射も可能です。
コッククロフト・ウォルトン型電子線加速器を用いた照射施設で、最大ビーム電流 1 mAでの空気中照射が可能です。低エネルギーであるため、フィルム状の試料や物質の表面処理に適し、大面積の試料に対して均一な照射を行うことができます。
高分子の架橋反応を利用した改質の研究や商品開発、半導体や人工衛星に使用する新素材の耐放射線性の研究、食品の表面殺菌の研究、ガラスの表面着色の研究等が行われています。
本施設では、3Hや32Pを始め18核種の非密封放射性同位元素を利用できます。
液体シンチレーションカウンターやガンマカウンターなど各種放射線計測機器が揃っています。また施設内には遺伝子組換え生物を扱えるP1実験室や、暗室が あり、実験室の多くが安全フードを備えています。当施設では生物学・化学・物理学系の様々な研究を実施することができます。
RI耐火冷蔵庫
P1実験室
第8実験室
貯蔵配分室
貯蔵庫
名称 | 利用例等 |
---|---|
X線照射装置 | 最大 350 keV ,直径 40 cmφの範囲で照射が可能。実験動物の免疫抑制など、主に基礎医学、生物分野の研究 |
放射線透過装置 | 非破壊検査、放射線の透過率の測定 |
ガンマ線分析装置 | ガンマ線スペクトルの計測による、試料中の放射能の分析中性子放射化分析による半導体素子中の不純物、文化財試料の元素分析 |
X線分析装置 | マグネシウム以上の原子番号の物質に対する、結晶構造の解析や元素分析 |
液体シンチレーションカウンター | トリチウム、炭素 14 、リン 32 などの放射性同位元素の定量によるトレーサー実験、文化財の年代測定 |
低バックグランド放射能測定 | 極微量なベータ線およびアルファ線放出核種測定による環境中の放射能測定 |
学内外の研究機関や民間の方が本施設を利用される場合は、下記にお問い合わせ下さい。
金光英俊
(公立大学法人 大阪府立大学・地域連携研究機構 地域連携・研究支援課 研究支援グループ)
TEL 072-254-9804
FAX 072-254-9935
E-mail chk01495@ao.osakafu-u.ac.jp
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