高度粒子線科学技術特論レポート(1)
問題
以下の設問に解答せよ。
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問題1
温度T、圧力p=(nn+ ni+ ne) κ T
の熱平衡弱電離プラズマを考える。(κ はボルツマン定数。)
(a)
サハの式より、
電離度ζ = ni/( nn+ ni)は
ζ2/(1-ζ2)
=(2πme/h2)1.5
((κ T)2.5/p)Exp(-eVI/κ T)
で与えられる。ここで、eは素電荷、meは電子の質量、
hはプランク定数である。
以下の表の電離電圧VIのデータを用いて、
電離度を温度の関数としてグラフを作成し、
解答ファイルにペーストせよ。
ただし、圧力は105, 1.0, 10-3
の3通りとし、温度の最大値は2eV、ないしは2万Kとせよ。
| element | Ionization potential[V] |
| Cs | 3.89 |
| Ar | 15.76 |
| He | 24.58 |
(b)
ζ > 0.1を強電離プラズマの条件とすると、セシウム強電離プラズマ
を得るのに必要な温度は電離エネルギーのおよそ何分の1が必要か?
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問題2
講義資料2に説明するタウンゼントの理論について以下の問いに答えよ。
(a) タウンゼントの放電開始条件γ(exp(αd)-1)=1を導け。またこの左辺が示す物理的意味を説明せよ。
ただしdは電極間距離、αとγはタウンゼントの係数である。
(b) αが換算電界E/pの関数としてα/p=A1exp(-A2/(E/p))と表される
時、電極間電圧Vがpd及びαdの関数となっていることを導け。
関数y=x/ln(x)はx=2.7(自然対数の低)で極小値y=2.7となる事を利用して、点火条件でのVとpdの関係式を
導け。
(c)
以下の表の気体の最小放電電圧Vminのデータを用いて、
電離係数αの値を推定せよ。また、(a)の結果から、測定を行った時の陰極のγ
の値を推定して、表に整理せよ。
| gas | A1[1/cm.torr] | A2[V/cm.torr] | Vmin[V] |
| Air | 14.6 | 365 | 300 |
| N2 | 12.4 | 342 | 250 |
| H2 | 5 | 130 | 270 |
| CO2 | 20 | 466 | 420 |
| Ar | 13.6 | 235 | 233 |
| He | 2.8 | 34 | 156 |
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問題3
プラズマ中の電位分布を計測する方法として、エミッシブプローブ(emissive probe)法と
重イオンビームプローブ(HIBP)法が知られている。両者の測定原理を解説し、
それぞれの長所と短所を表形式に整理して述べよ。
注意
解答は、こちらのテンプレートファイルを元に、MS-Word等のワープロソフトを使って作成し、3ページのpdfファイルに変換し、
授業支援システムから提出せよ。
提出先のおよび受付期間は、別途アナウンスする。
なお、提出するファイル名は
BJG22001_abst1.pdfの様に自分の学籍番号(例ではBJG22001
としている)を入れておくこと。この指示を守らない場合は、減点対象とする。
回答内容に不備があれば、個別に再提出を求める場合がある。
授業支援システムでは提出物の差替えは想定されていないので、
提出前に自己チェックできるように時間に余裕を持って提出すること。
レポートの内容、提出法等の質問があれば、メールではなく、授業支援システムの
フォーラムに、学籍番号を明記し(氏名は不要)投稿せよ。
個人や友人間での判断は、先に記載した様に、減点対象になる場合がある。
友人にヒントなどを教えてもらうことは構わないが、必ず自分で考えた
結果を提出すること。極端に類似の(丸写しの)レポートがあれば、
不正行為として、両方とも0点と
評価するので注意すること。
(last modified at 8th May 2025)