RESEARCH TOPICS

ダイバータープラズマの制御と関連する炉工学
 21世紀のエネルギーとして工学設計が進められている磁気閉じ込め核融合炉では10MW/m2を越える熱流束を持つプラズマが固体装置壁と相互作用すると予想され,その制御が世界的にも重要な研究テーマとなっています.
1 モデル計算
 電磁気学や流体力学,プログラミングの知識を用いて閉じ込め用電磁場中でのプラズマの電磁流体的挙動をモデル化,解析します.
2 模擬実験、シミュレーション
 小型の直流プラズマ実験装置で,プラズマ粒子と中性ガス粒子や固体表面との基礎的相互作用の計測を行います.実験結果を保管するシミュレーション研究も行います。
3 熱流束計測法の開発
 共同研究を通して、様々な核融合実験装置での熱流束計測器の開発を行います。

中性子照射損傷と熱特性変化
熱伝導率や熱拡散率は原子力分野(核融合炉のダイバーター、高温ガス炉の 燃料被覆材など)でセラミックを用いる上での最も重要なパラメーターで すが、中性子照射により欠陥が導入されるとフォノン伝導の阻害により 著しい低下が報告されています。日米プロジェクトをはじめとして 国内外との研究者と交流を深め、ダイバータ材料の熱負荷試験に関する研究を 進めています。

大気圧プラズマの生成、計測、生物学影響
生体物質に対してその場で滅菌を行うためには、大気圧環境でプラズマを生成することが好ましい。直流放電の理論からは、圧力が上がると放電電極の熱電子放出をベースにした熱プラズマが生成されると予想されるが、電極間に誘電体を設置し交流電圧を印加することにより「冷たい」プラズマの生成が可能である。その中でもEngemannらの提唱した誘電体バリア放電(DBD)プラズマジェットは、装置の簡便さと生成されるプラズマの美しさから、世界中で広く基礎研究や応用に用いられている。 我々のグループにおいても、DBDプラズマジェットを生成し、その基礎特性の計測や有害化学物質の分解、放電装置の改良、生体物質への適用が行われてきています。

高精度霧箱の開発
霧箱による放射線の観察は目で見て直感的に放射線の存在を知ることが出来るため、教育的効果が大変大きく、様々な教育者により改良が成されて来ました。 現在、-20℃以下の低温をドライアイスの準備無しにいつでも確実に得る手段として、ペルチェ素子を使用し、コッククロフト・ウォルトン回路を用いた高電圧により雑イオン除去を行う高性能霧箱の開発と、それを利用した放射線教育プログラムを提唱しています。