従って、十分正にバイアスすることにより、プラズマ空間電位Vs)がプローブ電流Ipの 変曲点として決定できる。また、そこでのプローブ電流(の絶対値)が電子飽和電流Iesに相当する。 逆に、負にバイアスすることによりイオン飽和電流Iisが決定できる。
プラズマの生成時間に比べて短い周期でVpを走査(スイープ)すると、
プローブ電流(とVp)の時間変化が得られる。
電流とプローブ電圧のトレースを描くと、スイープの周期毎に少しずつズレた曲線になります。
一つのスイープ周期のトレースを解析しましょう。
Vpが小さいときの電流の極限値が イオン飽和電流Iisになります。
これとプローブ電流の差が、電子が運ぶ電流で 対数表示するとVpと直線関係になります。
従って、Log(|Ip-Iis|)をVpに対してプロットすると
その傾きの逆数から電子温度Teが決定される。
この解析を繰り返すと、電子温度(真ん中の図の緑の点)がどのように時間変化するかが分かります。
この方法はプラズマ吸収プローブとも呼ばれ、プラズマ振動プローブと同様に絶縁体酸化物膜が 堆積するプロセスプラズマでも使用できます。さらに、 電極やフィラメントがプラズマに直接接しないという 利点もある。最近、 表面波プローブのロッドアンテナを折り曲げてコンパクトにしたカーリングプローブというものも商用化されています。